セカンドオピニオン契約について

1 弁護士のセカンドオピニオンとは?

弁護士のセカンドオピニオンとは、現在依頼している弁護士とは別の弁護士に、法律問題や事件の見通し、弁護士の進め方などについて意見を求めることです。

弁護士と依頼者は、事件についてよく話し合い、依頼者が十分に理解・納得していくことがとても大切です。しかし、依頼が継続している中で、弁護士の説明がよくわからなかったり、納得できなかったりした場合に、「別の弁護士の話を聞いてみたい」と思うことがあるかも知れません。

セカンドオピニオンは、こうした依頼者の疑問・不安・悩みに応えて、依頼者が自分の人生を自分の意思で決めていくことをサポートする仕組みの一つです。

オピニオン(opinion=意見)と呼ばれるとおり、セカンドオピニオンの弁護士は、あくまで事件を依頼されている弁護士とは別の立場から、事件の見通しや方針について意見を述べたり、説明を加えたりするに過ぎません。実際に何か調査をしたり、裁判所や相手方に提出する書面を作成するものではありません。

2 弁護士のセカンドオピニオンはどのようなときに利用すべきか

冒頭でも述べた通り、まず第一に、現在依頼している弁護士の方針や説明に疑問点や納得がいかない点がある場合には、その弁護士に質問してみるのが最も大切なことです。

とは言え、様々な事情から、弁護士から納得のいく説明を受けることが難しく、さりとて既に着手金を支払って裁判も進んでいる事件について別の弁護士に依頼するのも難しい、という事態もあり得ます。あるいは、現在依頼している弁護士の説明に一応の納得はしているものの、念のため別の弁護士に意見を聴いてみたい、ということもあるかも知れません。

こういった場合に、現在依頼している弁護士との関係はそのままに、別の弁護士の意見を聴いてみるのがセカンドオピニオンです。弁護士に依頼する問題というのは、その方にとって人生を左右する重大な問題であることも多く、そのような問題に対応していくにあたり複数の弁護士の意見を聞きたいと考えることは、自然なことだと思います。

3 弁護士のセカンドオピニオンを求めるメリット・デメリット

 ⑴ メリットについて

  • 客観的な判断: 現在の弁護士とは異なる視点から、事件の見通しや法的判断について意見を聞けます。
  • 理解の深化: 複数の弁護士の説明を聞くことで、事件に対する理解を深めることができます。
  • 選択肢の拡大: 他の弁護士の意見から、より適切な解決策を見つけることができる可能性があります。
  • 安心感の向上: セカンドオピニオンを得ることで、事件の解決に向けて安心して進むことができます。

  ⑵ デメリットについて

  • 費用: 別の弁護士に相談をする以上、追加の弁護士費用がかかります。
  • 現在の弁護士との関係: セカンドオピニオンを求めたことが、現在の弁護士との関係に影響を与える可能性があります。ただし、普通の弁護士であれば、依頼者が別の弁護士の意見を聴きたいと思うことも理解できますので、依頼者の方がセカンドオピニオンを求めることをもって気分を害することはないと思います。仮にそれで関係が悪くなってしまうような弁護士だとしたら、どの道その弁護士とは信頼関係が築き難いと言わざるを得ません。

4 弁護士のセカンドオピニオンを利用する際の注意点

① 可能な限り、現在依頼している弁護士と情報量を揃えましょう

当然ですが、セカンドオピニオンとなる弁護士は、現在依頼している弁護士よりも、圧倒的に情報が不足している状態から検討をスタートます。判断の前提となる情報に差があると、異なる意見が出てくることは、証拠一つで裁判の結論がひっくり返ることがあることからも想像できるかと思います。そして、両者の意見が異なる場合、情報量の少ないセカンドオピニオンの意見の方が不正確な可能性が高いでしょう。これでは、セカンドオピニオンを求める意味がありません。

したがって、セカンドオピニオンを求める場合には、事件資料一式の写しを渡すのが望ましいのはもちろん、メールやLINEで現在依頼している弁護士に共有している情報があれば、これらを印刷する等してセカンドオピニオンとなる弁護士に提供すべきと言えます。

② セカンドオピニオンの役割をよく理解して利用しましょう

セカンドオピニオンは、あくまで現在ある資料等に基づいて意見を述べる者ですから、自ら証拠を集めたり、裁判所に出す書面を作成するわけではありません。これらを頼みたい場合は、セカンドオピニオンとしてではなく、事件としてご依頼いただく必要があります。その場合には、現在依頼している弁護士との委任契約を解約する必要があるかも知れません。

③ 過ぎたことの検証より、これからのことを中心に意見を求めましょう

セカンドオピニオンを求める場合には、基本的には、「これからどうするか」という未来のことを中心に意見を求めた方が良いです。

例えば、「あの証拠を提出したが、問題ないか」といったような、過去のことを検証しても、過去のことを変えることはできません。仮に、「こちらに不利に働く証拠になるので出すべきではなかった」というセカンドオピニオンの意見が出たとしても、その証拠をひっこめることはできないのです。この例の場合、「どのような面で不利に働くのか」「それによって結論はどう変わるか」「どのようにすればそれをリカバリーできるか」について目を向けるべきなのです。

ちなみに、どんな仕事でもそうかと思いますが、後から批判的に検証してより良い方針を提案することは、リアルタイムで判断して方針を立てていくより遥かに簡単です。そのため、セカンドオピニオンが事後的に検証をして「もっと良い方法があった」と言えたからといって、必ずしも現在依頼している弁護士よりセカンドオピニオンの弁護士の方が優れているとは限らないことは、ご留意ください。

5 当事務所のセカンドオピニオンサービスについて

当事務所では、セカンドオピニオンの存在が弁護士を利用する方の疑問・不安・悩みに応え、その人が自分の人生を自分の意思で決めていくことに資するものとして、セカンドオピニオンサービスを提供しています。

セカンドオピニオンサービスは、現在依頼している弁護士とは別に、弊所の弁護士が、いつでも電話やメール、LINE等で、事件についてご質問にお答えしたり、方針について意見を述べるサービスです。単発の法律相談と異なり、予約不要でご相談を承るほか、いただいた資料やこれまでの経過も踏まえ、継続的なリーガルサポートをご提供しております。

費用は月額でお支払いいただき、事件が終了してセカンドオピニオンが不要になるまで、伴走いたします。

ご検討の方は、いつでもご相談ください。

   

   

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